子どものゲーム依存症に困っているお母さんが多いため、
長文かつ 硬い文章となるが、私の考えを書き留めておこうと思う。
7月2日に私たちNPO法人 奈良情熱学校は、明橋大二先生の特別講演会(in奈良)を主催させていただいた。
その第二部では、子ども教育と子育て相談の現場で働く私たち理事が、明橋先生へ最近多い保護者からの相談テーマを問いかけさせていただいた。
私は小・中学生対象に、自己肯定感を高めて学力や良い習慣力を高める個別指導塾や子育てカウンセリングを生業としている。
その中で日頃最も多い相談を2つシェアさせていただいた。
その2つとは、「ゲーム漬け」の悩みと「不登校」の相談。
今日は前者の「ゲーム漬け」について、当日は聴くのを中心としてあまり私の考えを話さなかったので、ここに書き留めておこうと思う。
明橋先生のお考えは、まとめると次のようになるだろう。
「以前ならある程度自由にさせてやれば良いと考えていたが、最近ではあまりに酷いゲーム中毒となっている若者が多く、やはり時間帯等の家庭内ルールで規制すべきだと考える。
そのルールは小学生の低学年の段階から家庭の方針として習慣化・定着させておくことが大切だろう。」
私は こう考える。 ゲームについての考えを
ここに書いておこうと思う。
最近のゲームは映像も内容も非常に凝っている。ステージをクリアする、毎日やるとポイント等が貯まっていく、レベルが上昇する、アイテムが手に入る…などのように、
ちょっと頑張れば承認される、成長できる要素が目に見えて分かりやすい。そして手軽に大きな刺激を得られる。
実はこれが大きな罠。
目に見えてゲーム内の自分は成長しているが、実はゲームの種類によっては自分つまり脳(前頭葉)や身体が全く活動していない。
ゲームを終えてから、自分自身は何も成長していないという事実を理解しているため、一種の自己否定に襲われる。
自己肯定感とは真逆となる。しかし、依存症となっているため、翌日も辞めることができない。
私たち大人は、ゲームに 子どもの承認や成長を預けてはいけない。
ゲーム以上の 親子で共に味わうリアルな感動や喜び、子どものちょっとした成長や感情を常に発見して、喜びや感謝の感情を伝えたい。
特に小学生の内は、まだまだ潜在的に持っている脳の力を伸ばしてやりたい。
そのために、作られたゲーム内の喜びや成長・承認よりも、その時間があるならば、生身の彼らが今できていること・考えていることを聴いて聴いてさらに聴いてあげたい。
成長していることをどんどん喜んであげたい。ゲームに負けてはいけない。
特に、お父さん。
我が子が小学生の内にゲーム漬けから救い、
携帯ゲーム機以外の 生きることの楽しさを教えるのは、お父さんの役目である。
子どものような遊び心あるお父さんの存在が、子どもの心身を成長させる。
もしも母子家庭であれば、僕が講演会でいつも言う「アロマザリング」をおススメする。 お母さん以外の 第三の信頼できる大人を見つけ、信じ、任せ切ることだ。
もちろん、すべてのゲームが悪いわけじゃない。
男の子は小学生の内にコレクション欲を満たしてあげたいので、カード系のゲームを私は推奨する。カードを集め、自分で研究し、親子や友人同士で相談や討論・作戦会議ができる。現に私の子はカードゲームを通して、ようやく活字を自分から黙々と読むようになった。親子仲もさらに良くなり、良いことばかりだ。
ゲーム漬けになると、様々な弊害があるが、私が最も恐れるのは、前頭葉の機能低下。
前頭葉は思考力・創造力などの人間特有の能力の源である。 一方、原始脳と言われる海馬や扁桃体は、感情によって記憶の向上が望まれることは有名な話だが、その感情の波が激しく抑えられない際に、理性で抑える役割も前頭葉は持っている。
さらに歩いたり運動をせずにずっとブルーライトを浴び続けている子であれば、セロトニンの分泌がうまくいかなくなる。それにより、集中力の低下、ストレス耐性の低下をまねき、感情の波が激しくなり、ストレスに弱くなる。つまり、これからの時代に大切な力の1つである「メンタルタフネス」に課題のある子に育ってしまう。
子どもがまだ小さい内に、家庭の方針や大切な価値観を夫婦で話し合い、子どもに常に発信すること。そしてそれを具体的に子どもの習慣行動にしておくことをおススメする。例えば毎朝の運動や椅子に座る習慣、自分のことを自分で完結する習慣を日常生活に組み入れることである。
ただ、これらはあくまでも私の理想論にすぎない。
現場では、様々な個性・環境の子どもが存在する。大好きなゲームをする時が唯一、目が輝く時であったり、主体性を発揮するというような時期もまた、子どもによっては存在するのも また事実である。
そんな時には、まずは上述した私の理想論は一旦外へ置いておき、たとえゲーム中であっても、その子が喜んでいる姿を、健康に生きてくれているという事実を、ただ味わうことも大切だと 私は考える。
私たち大人が学び続ける理由
結局は、子どもの個性や状況によって、すべては異なる。何が脳や成長にとってよいかという事実は存在するが、何が正しいかというのは、すべて子どもによって異なる。
だから、我が子の今の状況を察し、どういう人間に育ってほしいのかの価値基準を親がブラさないことが大切。
その方針を親が自信を持って確固たるものにし、時には柔軟に変更できるためにも、私たち大人は様々なことを一生幅広く学び続け、
それを常に今生きている現場と自分自身に投影させてアジャストすることが大切なのだと思う。
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